1 日本語能力条件
日本人として生活するためには、日本語の会話ができること、カタカナ・ひらがなが読み書きできること、
漢字(約80字)が読めることなど、おおよそ「小学校3年生以上の日本語能力」が必要です。
法務局で面談のとき、日本語のテストを受けることもあります。
日本語が不安な方はご相談ください。
2 日本における居住条件
「引き続き5年以上日本に住所を有すること」
引き続きとは、継続して5年以上です。
例えば、3年日本に住んで、1年海外に行って、また2年日本に住んだ場合はダメです。
連続して3ヶ月以上日本を離れていると、それまでの居住歴はなくなり、ゼロになってしまいます。
あと1回は3ヶ月よりも短くても、1年間でトータル180日以上日本を離れていると同じになります。
これは母国に帰国したり、旅行だけでなく、会社の出張でもカウントされます。
実際、帰化申請書には海外渡航歴の調書があります。
また、住んでいるだけでなく、5年間のうち仕事をしている期間が3年以上必要です。アルバイトではダメで、正社員でないと認められません。契約社員・派遣社員でも大丈夫です。
ただし、10年以上日本に住んでいる人は、就労経験が1年以上あれば大丈夫です。
10年ない場合は必ず就労経験は3年以上必要です。
「住所」とは、その人の生活の本拠をいい、
「居所」とは、生活の本拠ではないが相当期間継続して居住する場所のことをいいます。
◯日本及び日本人と特別な関係がある方
特別永住者(在日韓国人・朝鮮人・台湾人)の方々や日本人と結婚している方などについては、
上記の「5年以上」は緩和されます。
①かつて日本人であった日本人であった者の子で、引き続き3年以上日本に住所もしくは居所を有する者
このケースは、両親が外国に帰化して自分も外国籍になっていて、その子が日本国籍が欲しい場合です。
例えば、両親がアメリカに移住し、アメリカ国籍を取得した場合、子は「日本国民であった者の子」にあたります。
居住要件が3年あれば帰化申請できます。
能力条件、素行条件、生計条件、国籍喪失条件、思想条件は満たす必要があります。
②日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所もしくは居所を有し、またはその父もしくは母が日本で生まれた者で現在日本に住んでいる者
日本で生まれた在日韓国人・朝鮮人の方の多くが、このケースに当てはまります。
両親が日本で生まれているか、自分が日本で生まれているか、どちらでも当てはまります。
両親も自分も日本で生まれている方は、多くいらっしゃると思います。
③日本人の配偶者(夫もしくは妻)で、引き続き3年以上日本に住所もしくは居所を有し、現在日本に住んでいる者
日本人と結婚している外国人がこのケースに当てはまります。
日本に3年以上住んでいる場合、日本人と結婚した時点で帰化の条件を満たします。
20歳未満でも大丈夫です。
④日本人の配偶者(夫もしくは妻)で、婚姻の日から3年を過ぎて、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有する者
日本人と結婚している外国人がこのケースに当てはまります。
この場合は、外国で結婚生活を送っていたが、その後来日し1年以上日本に住んでいる場合に帰化の条件を満たします。
20歳未満でも大丈夫です。
⑤日本人の子(養子を除く)で日本に住所を有する者
このケースに当てはまるのは、両親だけ先に帰化して日本国籍を取り、子どもが後で帰化する場合が当てはまります。
また、日本人の子であるが日本国籍を選ばなかった人が、のちに帰化する場合にも当てはまります。
⑥日本人の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であった者
未成年の時に、親の再婚などにより、連れ子として日本に来た外国人の方で、来日の時に日本人の義理の父(母)と養子縁組をしたようなケースが当てはまります。
⑦日本の国籍を失った者で日本に住所を有する者
外国籍になった日本人が、再度日本国籍に戻るときが当てはまります。
⑧日本で生まれ、かつ、国籍を有しない者で引き続き3年以上日本に住所を有する者
◯その他
・引き続き10年以上日本に居所を有する者(原則、就労期間不要)
こちらも在日韓国人・朝鮮人の方の多くが、このケースに当てはまります。
また、その他の外国人の方でも10年以上日本に住んでいれば、1年以上の就労経験で帰化できます。
3 年齢条件
「年齢が20歳上で本国法によって行為能力を有すること」
帰化したい人が、単独で申請する場合は、まず年齢が20歳以上であって、かつ、その人の母国の法律で成人であることが必要です。
成人であるとは、自分一人で法律行為ができる人のことです。
ただし、未成年者は親と一緒(同時)であれば申請することができます。
なお、未成年者でも15歳以上の場合は、本人の署名が必要です。
15歳未満の場合は法定代理人である両親(親権者)が署名します。
4 素行条件
「申請者は、素行が善良であること」
基準は明確ではありませんが、犯罪歴や税金の納入状況などを、社会通念によって総合的に判断されるようです。
また、交通違反についても過去5年間の「運転記録証明書」の提出が義務付けられています。
5 生計条件
「自己または生計を一つにする配偶者その他の親族の資産または技能によって生計を営むことができること」
申請人やその家族が仕事をするなどして、収入を得て、自立して生活していることが必要です。
仕事内容や、生活費などの確認があります。
6 国籍喪失条件
「国籍を有せず、または日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと」
申請者は、日本国籍を取得することによって、母国の国籍を失う者である必要があります。
日本は二重国籍は禁止されています。
多くの国では、国籍を自分の意思で離脱する事ができますが、一部の国では喪失を認めない国もあります。
その場合は、日本国民との親族関係があれば、喪失条件を満たしているとの扱いがなされます。
7 思想条件
「日本国憲法または日本国政府を暴力で破壊することを計画し、もしくは主張し、または、破壊の計画や主張する団体を結成したことや加入した事がないこと」
自分で破壊を計画したことがあったり、反社会的組織やテロリスト集団に関係したことがある人は帰化できません。