建設業を営むには許可が必要

建設業許可とは

建設工事の完成を請け負うことを営業とする場合は、建設業法第3条に定める許可を受ける必要があります。

発注者から直接建設工事を請け負う元請負人はもちろんのこと、下請負人であっても、請け負って建設工事を施工する者は、個人でも法人でも許可が必要です。

許可が不要な建設工事

すべての工事に許可が必要でなく、次の工事を軽微な工事といい、軽微な工事のみの場合は、許可が不要です。

建築一式工事

①1件の請負代金が1,500万円(消費税含)に満たない工事

②代金にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150m2に満たない木造住宅工事

その他の建設工事建設工事

1件の請負代金が500万円(消費税含)に満たない工事

業種別に許可が必要

建設業許可の業種は29種類あり、軽微な工事を除き、許可を受けた業種の工事のみを請け負うことができます。

許可を受けるための要件

許可を受けるためには、次の5つの要件が必要です。

1 経営業務の管理責任者としての経験がある者を有していること。

許可を受けようとする者が法人である場合には常勤の役員のうちの1人が、また、個人の場合には本人が、許可を受けようとする建設業の業種に関し、5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有していることです。

または、許可を受けようとする建設業の業種以外の建設業に関し、6年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有していることです。

2 専任の技術者を有していること。

許可を受けて建設業を営もうとする営業所には、専任の技術者を置く必要があります。

専任技術者とは、業種ごとに、一定の経験や資格を持っていて、その営業所に常勤しているものです。

3 請負契約に関して誠実性を有していること。

役員や本人が、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことです。

4 請負契約を履行するに足る財産的基礎または金銭的信用を有していること。

一般建設業の場合は、自己資本の額が500万円以上であるか、もしくは、500万円以上の資金を調達する能力を有することです。

5 欠格要件に該当しないこと。

成年被後見人でないことなど、幾つかの要件が定められています。

許可の区分

1 大臣許可と知事許可

建設業の許可は、都道府県知事か国土交通大臣のどちらかに申請します。

知事許可 1つの都道府県のみに営業所を設けている場合(複数可)

大臣許可 2つ以上の都道府県に営業所を設けている場合

営業所とは下記の用件がある場合です。

①契約の締結などの業務を実際に行っている。

②事務室があり、電話や机がある。

③①の業務ができる職員が常勤していること。

④専任技術者が常勤していること。

2 一般建設業の許可と特定建設業の許可

特定建設業の許可 注文者から直接に請け負った1件の工事について、下請代金の合計金額が四千万円以上となる下請契約を締結して、下請負人に施工させる場合。

一般建設業の許可 特定建設業の許可が必要な工事を除く、建設工事を請け負う場合。

許可の有効期限

許可のあった日から5年です。