日本に在留する外国人は、在留資格を「永住者」に変更する申請をすることができます。

「永住者」は、外国人が母国の国籍のままで、在留期間更新の手続きが不要となり、また、在留活動の制限がなく、収益・就労活動も自由に行うことができます。

日本に期間制限なく滞在できますが、日本の国籍を取得するわけではないので、帰化(日本国籍取得)とは違います。しかし、他の在留資格とは違い、住宅ローンを組みやすくなります。

「永住者」への在留資格の変更申請は、要件にあっていれば、希望するときにいつでも出入国在留管理局へ申請ができます。また、家族がいる場合は家族全員が同時に申請することが望まれます。

永住許可は、在留資格を有する外国人が「永住者」への在留資格の変更を希望した場合に法務大臣が与える許可であり、在留資格の一種です。上陸許可により資格を得ることはできません。

大幅に在留管理が緩和されるので、審査が慎重なものとなります。又、「永住者」の申請中であっても、現に有している在留許可の更新を行う必要があります。

帰化のメリット

1 永住許可取得のメリット

(1)在留期限がない

就労ビザは在留期限が1年か3年ですが、永住ビザを取得すると在留期間がなくなります。

期限がないということは、ずっと日本に住めます。

ですから、更新の手続きがこれからずっと不要です。

もう入管に行く必要がありません。

一定期間には、在留カード自体の更新がありますが、審査は行われません。

(2)仕事の種類の制限がなくなる

就労ビザは仕事の内容が決まっていて、在留資格で決まって範囲外の仕事はできませんが、永住ビザはどんな仕事もすることができます。

就職しても良いですし、会社を経営することもできます。

(3)起業が簡単になる

外国人は、日本で起業して社長をする場合は、経営管理ビザを取る必要があります。

経営管理ビザは、資本金500万円などの条件があり、ハードルが高いですが、永住ビザを取ってしまえば、経営管理ビザは必要ありません。

ですから、日本人と同じで一円でも会社が作れます。起業が楽になります。

(4)銀行でローンが組みやすくなります。

日本にずっと住むのだったら、マイホームが欲しい方もいると思います。

就労ビザの外国人は、ローンの審査が厳しいようですが、永住ビザを取得すれば銀行でのローンが通りやすくなります。

(5)家族の在留資格が有利になる。

配偶者や、子どもも「永住者の配偶者等」や「定住者」という活動制限のないビザに変更できます。

自分が永住を取ったら配偶者や子どもも有利になります。

(6)もし離婚などしても日本にずっと住むことができます。

例えば、日本人の配偶者のビザを持っている人は、離婚したらビザが更新できなくなってしまうので、就労ビザや定住者とかに変更しなくてはなりませんが、永住ビザを取っておけば変更は必要ありません。

安心して日本に住むことができます。

2 永住許可の要件

(1)素行が善良であること。(素行善良要件)

法律を守り、日常生活においても社会的に非難されることのない生活をしていることです。

具体的には下記のいずれにも該当しないことです。

①日本国の法令に違反して、懲役、禁固又は罰金に処せられたことがある者

執行猶予の言い渡しを受けてから、期間を経過した後5年を経過した時は該当しなくなります。

②少年法の保護処分が継続中の者。
③日常生活又は社会生活において、違法行為又は風紀を乱す行為を繰り返し行う等素行善良と認められない特段の事情がある者。

交通違反などが該当します。

(2)独立生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。(独立生計要件)

将来において安定した生活が見込まれることを意味します。生活保護を受けず、「自活」できることが可能と認められる必要があります。これは自分だけでなく配偶者と供に生活が安定していれば可能です。

安定した収入があるかどうかです。

預貯金が多いか少ないかはあまり関係ないです。

年収が大事です。年収が300万円以上ないと許可の可能性が低くなります。

夫婦であれば合わせてでも良い場合があります。

扶養家族がいれば、もっと年収が必要です。

(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること。(国益適合要件)

①原則として引き続き10年以上日本に在留していること

申請するときに満10年以上住んでいることが必要です。

審査期間が4ヶ月から10ヶ月程度かかるので、間違える人もいますが、申請するときに10年以上必要です。

それから、10年の中で5年以上働いていることが必要です。アルバイトは認められません。ちゃんと就労のビザを持っていたことが必要です。

なお、「技能実習」及び「特定技能1号」はこの就労資格に含まれません。

引き続きは、1回あたり3ヶ月以上海外に出国していたり、1回は3ヶ月より短いけれど、1年トータルで180日以上出国していると、中断になります。リセットされてしまいます。これは気をつけてください。

これは、帰化と同じですね。

しかし、日本人もしくは永住者と結婚している人は、10年に満たなくても、結婚して3年以上で、その内1年以上日本に住んでいれば大丈夫です。

②刑に服してないこと。公的義務を履行していること。

罰金刑や懲役刑を受けていないこと。納税義務を履行し、公的年金に加入していることなどです。

③現に有している在留資格について、最長の在留期間をもって在留していること

いま持っている在留資格の在留期間が3年以上であること

在留期間は1年、3年、5年とかありますが、3年以上を持っていることが必要です。

1年の在留期間の人は永住は申請できません。

最長は「5年」ですが、当面の間は「3年」を最長の在留期間として取り扱われます。

④公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと
⑤著しく公益を害する行為をするおそれがないこと
⑥在留特別許可又は上陸特別許可を受けた者は、その日から1年以上日本に在留していること
⑦原則として、公共の負担になっていないこと

なお、日本人・永住者・特別永住者の配偶者やその子は、上記(1)素行要件と(2)生計要件に適合しなくても大丈夫です。また、難民の認定を受けている人は(2)生計要件に適合しなくても大丈夫です。

3 原則10年在留に関する特例

下記の場合には特例で10年要件が緩和されています。

(1)日本人、「永住者」又は特別永住者の配偶者の場合

実体を伴った婚姻が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していること。その実子又は特別養子の場合は、引き続き1年以上日本に在留していること。

(2)「定住者」の場合

「定住者」の在留資格を付与された後、引き続き5年以上日本に在留していること

(3)難民の認定を受けた者の場合

難民認定後引き続き5年以上日本に在留していること

(4)外交、社会、経済、文化等の分野において日本国への貢献があると認められる者

5年以上日本に在留していること

(5)地域再生法による地域再生計画において明示された同計画の区域内に所在する公私の機関において、特別活動に該当する活動を行い、当該活動によって日本国への貢献があると認められる者の場合、3年以上継続して日本に在留していること。

(6)高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有しているものであって、次のいずれかに該当するもの。

①「高度人材外国人」として3年以上継続して日本に在留していること

②3年以上継続して日本に在留している者で、永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められること

(7)高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有しているものであって、次のいずれかに該当するもの。

①「高度人材外国人」として1年以上継続して日本に在留していること

②1年以上継続して日本に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められること

4 永住許可申請手続き

申請人とは、日本での永住を希望している外国人のことです。

日本で発行される証明書は全て発行日から3か月以内のものを提出してください。

(1)申請人の方が、「日本人の配偶者等」又は「永住者の配偶者等」の場合

配偶者とは、申請人と結婚している日本人または「永住者」の方のことです。

1永住許可申請書

2写真(縦4cm×横3cm)1葉(16歳未満は不要)

3身分関係を証明する次のいずれかの資料

(1)申請人の方が日本人の配偶者である場合

配偶者の方の戸籍謄本1通

(2)申請人の方が日本人の子である場合

日本人親の戸籍謄本1通

(3)申請人の方が永住者の配偶者である場合

a配偶者との婚姻証明書1通

b上記aに準ずる文書(申請人と配偶者の方との身分関係を証するもの)適宜

4申請人を含む家族全員(世帯)の住民票の写し1通

5申請人又は申請人を扶養する方の職業を証明する次のいずれかの資料

(1)会社等に勤務している場合

在職証明書1通

(2)自営業である場合

a確定申告書控えの写し1通

b営業許可書の写し(ある場合)1通

(3)その他の場合

職業に係る説明書及びその立証資料(適宜)

6直近(過去3年分)の申請人又は申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料

❇️日本人、永住者及び特別永住者の実子等の場合は、直近1年分。

(1)住民税の納税状況を証明する資料

ア直近3年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)各1通

イ直近3年間において住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し、領収証書等)

(2)国税の納付状況を確認する資料

所得税等に係る納税証明書(その3)

(3)その他

次のいずれかで所得を証明するもの

a預金通帳の写し 適宜

b上記aに準ずるもの 適宜

7申請人または申請人を扶養する方の公的年金及び公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料

❇️日本人、永住者及び特別永住者の実子等の場合は、直近1年分。

(1)直近(過去2年間)の公的年金の保険料の納付状況を証明する資料

次のアもしくはイの資料とウの資料を提出。

ア「ねんきん定期便」(全期間の年金記録情報が表示されているもので封書で送付されたもの)

❇️ハガキ形式のねんきん定期便ではありません。日本年金機構で全記録が取得できます。

イねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面

ウ国民年金保険料領収証書(写し)

❇️直近2年間において国民年金に加入していた方

(2)直近(過去2年間)の公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料

ア国民健康保険被保険者証(写し)❇️ 現在国民健康保険に加入している方

イ健康保険被保険者証(写し)❇️ 現在健康保険に加入している方

ウ国民健康保険料納付証明書 ❇️直近2年間に国民健康保険に加入していた方

エ国民健康保険料領収証書(写し)❇️直近2年間に国民健康保険に加入していた方

(3)申請される方が申請時に社会保険適用事業所の事業主である場合

直近2年間の当該事業所で事業主である期間について、事業所における公的年金及び公的医療保険の保険料に係る次のアかイのどちらかを提出。

ア健康保険・厚生年金保険料領収証所(写し)❇️直近2年間

イ社会保険料納入証明書または社会保険料納入確認(申請)書

8パスポート

9在留カード

10身元保証に関する資料

(1)身元保証書1通 ❇️身元保証人は配偶者の方です。

(2)身元保証人に係る次の資料

a職業を証明する資料 適宜

b直近(過去1年分)の所得証明書 適宜

c住民票の写し 1通

(2)申請人の方が、「定住者」の場合

1永住許可申請書

2写真(縦4cm×横3cm)1葉(16歳未満は不要)

3理由書

永住許可を必要とする理由について、自由な形式で書いたもの

4身分関係を証明する次のいずれかの資料

(1)戸籍謄本 1通

(2)出生証明書 1通

(3)婚姻証明書 1通

(4)認知届の記載事項証明書 1通

(5)上記(1)〜(4)に準ずるもの

5申請人を含む家族全員(世帯)の住民票の写し1通

6申請人又は申請人を扶養する方の職業を証明する次のいずれかの資料

(1)会社等に勤務している場合

在職証明書1通

(2)自営業である場合

a確定申告書控えの写し1通

b営業許可書の写し(ある場合)1通

(3)その他の場合

職業に係る説明書及びその立証資料(適宜)

7直近(過去5年分)の申請人又は申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料

(1)住民税の納税状況を証明する資料

ア直近5年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)各1通

イ直近5年間において住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し、領収証書等)

(2)国税の納付状況を確認する資料

所得税等に係る納税証明書(その3)

(3)その他

次のいずれかで所得を証明するもの

a預金通帳の写し 適宜

b上記aに準ずるもの 適宜

8申請人または申請人を扶養する方の公的年金及び公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料

(1)直近(過去2年間)の公的年金の保険料の納付状況を証明する資料

次のアもしくはイの資料とウの資料を提出。

ア「ねんきん定期便」(全期間の年金記録情報が表示されているもので封書で送付されたもの)

❇️ハガキ形式のねんきん定期便ではありません。日本年金機構で全記録が取得できます。

イねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面

ウ国民年金保険料領収証書(写し)

❇️直近2年間において国民年金に加入していた方

(2)直近(過去2年間)の公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料

ア国民健康保険被保険者証(写し)❇️ 現在国民健康保険に加入している方

イ健康保険被保険者証(写し)❇️ 現在健康保険に加入している方

ウ国民健康保険料納付証明書 ❇️直近2年間に国民健康保険に加入していた方

エ国民健康保険料領収証書(写し)❇️直近2年間に国民健康保険に加入していた方

(3)申請される方が申請時に社会保険適用事業所の事業主である場合

直近2年間の当該事業所で事業主である期間について、事業所における公的年金及び公的医療保険の保険料に係る次のアかイのどちらかを提出。

ア健康保険・厚生年金保険料領収証所(写し)❇️直近2年間

イ社会保険料納入証明書または社会保険料納入確認(申請)書

9申請人または申請人を扶養する方の資産を証明する次のどちらかの資料

(1)預金通帳の写し 適宜

(2)不動産の登記事項証明書 1通

(3)上記に準ずるもの 適宜

10パスポート

11在留カード

12身元保証に関する資料

(1)身元保証書1通

(2)身元保証人に係る次の資料

a職業を証明する資料 適宜

b直近(過去1年分)の所得証明書 適宜

c住民票の写し 1通

(3)申請人の方が、就労関係の在留資格及び「家族滞在」の場合

1永住許可申請書

2写真(縦4cm×横3cm)1葉(16歳未満は不要)

3理由書

永住許可を必要とする理由について、自由な形式で書いたもの

4身分関係を証明する次のいずれかの資料

(1)戸籍謄本 1通

(2)出生証明書 1通

(3)婚姻証明書 1通

(4)認知届の記載事項証明書 1通

(5)上記(1)〜(4)に準ずるもの

5申請人を含む家族全員(世帯)の住民票の写し1通

6申請人又は申請人を扶養する方の職業を証明する次のいずれかの資料

(1)会社等に勤務している場合

在職証明書1通

(2)自営業である場合

a確定申告書控えの写し1通

b営業許可書の写し(ある場合)1通

(3)その他の場合

職業に係る説明書及びその立証資料(適宜)

7直近(過去5年分)の申請人又は申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料

(1)住民税の納税状況を証明する資料

ア直近5年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)各1通

イ直近5年間において住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し、領収証書等)

(2)国税の納付状況を確認する資料

所得税等に係る納税証明書(その3)

(3)その他

次のいずれかで所得を証明するもの

a預金通帳の写し 適宜

b上記aに準ずるもの 適宜

8申請人または申請人を扶養する方の公的年金及び公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料

(1)直近(過去2年間)の公的年金の保険料の納付状況を証明する資料

次のアもしくはイの資料とウの資料を提出。

ア「ねんきん定期便」(全期間の年金記録情報が表示されているもので封書で送付されたもの)

❇️ハガキ形式のねんきん定期便ではありません。日本年金機構で全記録が取得できます。

イねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面

ウ国民年金保険料領収証書(写し)

❇️直近2年間において国民年金に加入していた方

(2)直近(過去2年間)の公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料

ア国民健康保険被保険者証(写し)❇️ 現在国民健康保険に加入している方

イ健康保険被保険者証(写し)❇️ 現在健康保険に加入している方

ウ国民健康保険料納付証明書 ❇️直近2年間に国民健康保険に加入していた方

エ国民健康保険料領収証書(写し)❇️直近2年間に国民健康保険に加入していた方

(3)申請される方が申請時に社会保険適用事業所の事業主である場合

直近2年間の当該事業所で事業主である期間について、事業所における公的年金及び公的医療保険の保険料に係る次のアかイのどちらかを提出。

ア健康保険・厚生年金保険料領収証所(写し)❇️直近2年間

イ社会保険料納入証明書または社会保険料納入確認(申請)書

9申請人または申請人を扶養する方の資産を証明する次のどちらかの資料

(1)預金通帳の写し 適宜

(2)不動産の登記事項証明書 1通

(3)上記に準ずるもの 適宜

10パスポート

11在留カード

12身元保証に関する資料

(1)身元保証書1通

(2)身元保証人に係る次の資料

a職業を証明する資料 適宜

b直近(過去1年分)の所得証明書 適宜

c住民票の写し 1通

(4)申請人の方がその他の資格の場合

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